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万町一丁目の山車(劉備玄徳、天照大神)
よろずちょういっちょうめのだし(りゅうびげんとく、あまてらすおおみかみ)
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山車[県指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:人形師・三代目法橋 原舟月 ○制作:明治26年(1893年) ○山車:高さ 8.89m、長さ 3.54m、幅 2.07m ○山車の見所 【山車】重層柱立囃子台型 【岩座】三味線胴:四神の彫刻 箔捺 刎高欄:朱塗 【上段幕】緋羅紗地に飛竜・波頭紋 綿入刺繍 四面一枚続き 【中層】木瓜半割枠 極彩色で魅せる十二支の彫刻 【囃子座】雲と群鶴の彫刻 【柱隠し】松竹梅透彫 【二重台】花鳥彫刻 【額縁】波に亀 木地総彫 【見送幕】錦襴 牡丹唐草宝尽し三色継 ○山車の説明 車は三輪で、その内前輪は轅(ながえ)に締結した古式を踏襲したものであるが、車輪の外輪に洋風の手法が加わった珍しいものである。人形座は軸部構造からの「せりあげ」となっている。腰組を支える地覆は隅や中央に金具型の装飾を付けてある。特に囃子座の上部の長押上には雲と群鶴の彫刻があり、見事な出来となっている。中段は三つ割とし、アーチ状の縁を連続し、その中に十二支の彫刻を配してある。岩座は黒塗の三味線胴で四神の彫刻が配置してあり、彫刻と金具型隅飾りは金箔押しで、黒塗の胴によく映えている。上段の幕は緋羅紗地に飛竜・波頭紋刺繍の四面一枚続きである。見送幕は色違い錦襴の縫い合わせで、四隅に朱の揚巻が付いている。 ○劉備玄徳 姓は劉、諱(いみな)は備、字(あざな)は玄徳。得物は雌雄一対の剣。関羽・張飛と義兄弟の契りを結び、筵売りから皇帝にまで上り詰めた蜀漢の初代皇帝。若い頃は任侠を好む性質であったが、長じるにつれ見識を得て、深い仁徳の持ち主になっていく。三顧の礼で迎えた諸葛亮の計の下、魏の曹操、呉の孫権と並び活躍した東漢時代の中心人物であり、「三国志演義」の主人公である。 人形:手に軍扇(総箔・玉・しゃ熊の房)背に剣(堆朱)・王冠(総箔)を戴く ○天照大神 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の女(むすめ)。高天原の主神で皇室の祖神。大日孁貴(おおひるめのむち)とも号。日の神と仰がれ、伊勢の皇大神宮(内宮)に祀り、皇室並びに国民崇敬の中心とされた。 人形:右手に八咫鏡(やたのかがみ)・左手に天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)(剣は総箔)・首に八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)・後立ては雅楽太鼓
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万町二丁目の山車(関羽雲長、日本武尊)
よろずちょうにちょうめのだし(かんううんちょう、やまとたけるのみこと)
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山車[県指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:人形師・三代目法橋 原舟月 ○制作:明治26年(1893年) ○山車:高さ 8.75m、長さ 3.80m、幅 2.18m ○山車の見所 【山車】重層柱立囃子台型 【岩座】三味線胴:青龍の彫刻 箔捺 高欄:刳擬宝珠 朱塗 【上段幕】緋羅紗地に飛竜・雲紋 綿入刺繍 【中層】波彫崩し 箔捺 【囃子台】欄間:市松模様風 朱塗 宝づくし 箔捺 雲を交互に組込 【柱隠し】竜巻彫刻 【二重台】獅子彫刻 【額縁】蒲鉾地紋彫 【見送幕】錦襴 竜小丸 鳳凰小丸紬紋 ○山車の説明 車は三輪であり、前輪は組込み固定されている。腰を支持する地覆は中を引き抜き、波の彫刻にするなど技巧を凝らしている。囃子座上部の欄間装飾も、雲紋の中に宝づくしの方形の板を市松に配する奇抜な装飾になっている。見送幕を支持する胴廻りの柱も、地彫りを施した見事なものである。中段部分は、波に千鳥の彫刻に金箔が総体にかかり異彩を放っている。上段の幕は緋羅紗地に飛竜・雲紋を施した華麗なもので、高度な繍技によって表現されている。見送幕は錦襴の縫い合わせで、裏地は印度更紗であるが配色も上品で優雅な幕である。 ○関羽雲長 姓は関、諱(いみな)は羽、字(あざな)は雲長。得物は青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)。劉備・張飛と義兄弟の契りを結び、劉備の蜀漢成立に貢献する。見事な顎鬚を蓄えていたため、「美髭公(びぜんこう)」とも呼ばれている。その武はさることながら、仁義にも大変厚く、敵である魏の曹操からも高く評価された。現代においては、商売の神様として関帝廟に祀られている。 人形:右手に長柄青龍刀を突立て、左手は長髭をなでる、豪傑の苦悩に充ちた表情を思わせる
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万町三丁目の山車(張飛翼徳、素盞嗚尊、太閤秀吉)
よろずちょうさんちょうめのだし(ちょうひよくとく、すさのおのみこと、たいこうひでよし)
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山車[県指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:人形師・三代目法橋 原舟月 ○制作:明治26年(1893年) ○山車:高さ 7.61m、長さ 3.60m、幅 2.18m ○山車の見所 【山車】重層柱立囃子台型 【岩座】三味線胴:竜彫刻 箔捺 刎高欄:朱塗 雲木彫 箔捺 【上段幕】白地の羅紗に四神刺繍 【中層】高欄擬宝珠 朱塗 花鳥彫 鳥箔捺 【囃子台】欄間:鳳凰深彫 箔捺 【柱隠し】菊透彫 【二重台】木地唐獅子彫 【額縁】櫛形地紋彫 【見送幕】錦襴 七宝枠に亀 牡丹 菊織込 【獅子台後幕】飛鶴 ○山車の説明 車は三輪である。蹴込み黒檀地板に唐獅子彫が付されているが高度な技術によって彫られている。囃子座上部の長押は金箔の雲形彫刻に鳳凰の彫刻を重ねて付けて、柱は菊の透し彫りが付けられ豪華である。台座の三味線胴は黒塗りの花鳥彫りであるが、鳥のみ箔捺となっている。岩座の三味線胴は朱塗りに金箔の竜の彫刻が付いており、その上は同じく朱塗りの刎高欄となっている。 上段幕は白地の羅紗に朱雀・青竜・白虎・玄武の四神の刺繍があり、高度な技術によってよく映えている。 見送幕は錦襴で七宝を朱とし亀・牡丹・菊が織り込まれ、色調・文様とも整い、上段幕とも調和し全体が見事な出来映えとなっている。 ○張飛翼徳 姓は張、諱(いみな)は飛、字(あざな)は翼徳。得物は蛇矛(だぼう)。劉備・関羽と義兄弟の契りを結び、劉備の蜀漢成立に貢献する。長坂での戦いでは殿(しんがり)を務め、橋の袂で仁王立ちをして一喝し、たった二十騎で敵軍数千騎を追い返した。大酒豪で乱暴な振る舞いの多い武将であったが、つまりは表裏のない、豪放磊落(ごうほうらいらく)な猛将であったともいえよう。 ○素盞嗚尊 日本神話で天照大神の弟。凶暴で天の岩屋戸の事件を起こした結果、高天原を追われ、出雲国で八岐大蛇(やまたのおろち)を斬り、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を得、天照大神に献じた。
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倭町一丁目の獅子頭一対
やまとちょういっちょうめのししがしらいっつい
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獅子頭[市指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:不明 ○制作:明治6年(1873年)以前 ○雄獅子:高さ 81cm、長さ 66cm、幅 102cm ○雌獅子:高さ 69cm、長さ 66cm、幅 98cm ○獅子頭の説明 古来、獅子は厄除けの神として祝いの諸行事に使われてきた架空の動物。金箔に生(き)うるしで仕上げた特殊の光彩と調和のとれた形のよさはなかなかの絶品。幾度かの火災に夫婦協力してその難を逃れ和合火防の獅子といわれている。
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倭町二丁目の山車(神武天皇)
やまとちょうにちょうめのだし(じんむてんのう)
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山車[県指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:人形師・三代目法橋 原舟月に依頼し、制作は古居楽山 ○制作:明治26年(1893年) ○山車:高さ 7.91m、長さ 3.36m、幅 2.14m ○山車の見所 【岩座】三味線胴:牡丹・唐獅子彫刻 【上段幕】緋羅紗に金色の竜丸に雲 【中層】黒塗の地紋に金箔の鳳凰彫り ○山車の説明 この山車の特徴は、岩座の部分の三味線胴の背が非常に高いことであり、中層は黒塗の地紋に金箔の鳳凰彫りがあしらってある。 囃子台は黒塗の棒組みで落ち着いた色調で、反面蹴込みは極彩色で孔雀と牡丹の図柄が彫刻されている。特に素晴らしいのが囃子座の竜と欄間の雲、蹴込みの波の彫刻である。 上段幕は四面とも緋羅紗に金色の竜丸に雲を散らした刺繍である。見送幕は赤・白・緑の緞子(どんす)が染め分けられた、木綿地となっている。 ○神武天皇 記紀伝承で第一代の天皇。名は神日本磐余彦(かむやまといわれひこ)。瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の曾孫。日向の高千穂を出て、瀬戸内海より紀伊国へ上陸、長髄彦(ながすねひこ)を平定し、大和国橿原宮(やまとのくにかしはらのみや)で即位したという。この戦に金の鵄(とび)が弓にとまり、その光が敵の目をくらませたという。 人形:金の鵄がとまっている弓を手にしている
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倭町三丁目の山車(静御前)
やまとちょうさんちょうめのだし(しずかごぜん)
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山車[県指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:松雲斎徳山 ○制作:嘉永元年(1848年) ○山車:高さ 7.01m、長さ 3.81m、幅 2.18m ○山車の見所 【岩座】花菱紋 【上段幕】鶴に飛雲を配す 【欄間】青海波・牡丹の彫刻 ○山車の説明 囃子座上部の欄間と、胴回りの欄間装飾を直線的にした独自の意匠で当時としては大胆なものであるとされ、すっきりとし品が良い。 この欄間は堆朱のような竹の節の羽目板で板には青海波の地彫りを施し、中の狭間は牡丹の彫刻になっている。腰の匂欄(こうらん)もめずらしく、一文字で上の欄間装飾との均衡を図っている。 水引幕は錦襴に巴紋を刺繍したもの、見送幕は金糸で若松の刺繍をしたものである。三味線胴下の鶴に飛雲を配した上段幕は図案もよく、人形とも調和している。 ○静御前 京の白拍子(しらびょうし)(平安時代から鎌倉時代にかけて行われた歌舞を歌い舞う遊女)で源義経の寵女(おもいもの)。頼朝と義経が仲違いになった時、吉野で捕らえられ鎌倉に送られた。そして鶴岡八幡宮の舞台で頼朝を前にして舞を舞う。直垂(ひたたれ)・立烏帽子(たちえぼし)に刀を差し、「よしの山、峰のしら雪、踏みわけて、入りにし人の、あとぞ恋しき」更に、「しづやしづ、賤のをだまき、くり返し、むかしを今に、なすよしもがな」と臆せず歌ったという。 人形:太刀を佩(は)き扇を持って舞う姿
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室町の山車(桃太郎)
むろまちのだし(ももたろう)
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山車[県指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:大沢銀之丞 ○制作:明治28年(1895年)頃 ○山車:高さ 7.66m、長さ 3.32m、幅 2.21m ○山車の見所 【欄間】花鳥牡丹 箔捺 ○山車の説明 車は四輪である。人形座の匂欄、中段、腰、囃子座の各匂欄も同じ意匠で統一している。囃子座上の欄間装飾は長押を二重に廻して安定した構えとし、その上下を彫刻で飾り、調和のとれた欄間となっている。 胴の廻りの彫刻も廻りに縁を付け、均衡と安定感を出している。腰組を支える地覆も卍くずしの地彫を施し、隅や中央に付けた金具型の板飾りも七宝の地彫でよく調和している。全体的には三味線胴を小型にして均整をとった作りであり、バランスのとれた品の良い山車である。 ○桃太郎 昔話の一。桃の中から生まれた桃太郎が、犬・猿・雉を連れて鬼ヶ島の鬼を退治するという話。忠孝勇武の徳を謳歌する。
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大町の山車(弁慶)
だいちょうのだし(べんけい)
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山車[市指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:不明 ○制作:明治7年(1874年)以前 ○山車:高さ 5.92m、長さ 3.73m、幅 2.74m ○山車の見所 【欄間】花鳥の図 【柱】昇り竜・下り竜 ○山車の説明 独特の型をもった山車で、前の柱には昇り、下りの竜が彫刻されており、正面欄間は花鳥の図、千年の齢を寿(ことほ)ぐもの。裏格子は葡萄と木鼠で豊作のしるし。傍らに波に亀の彫。前垂は梅に鶯の彫。 ○弁慶 京の五条大橋で牛若丸(源義経)と対決し、家来となるが、後に源頼朝に追われ、平泉にて仁王立ちの壮絶な最期をとげる。
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嘉右衛門町の山車(仁徳天皇)
かうえもんちょうのだし(にんとくてんのう)
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山車[市指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:安生 ○制作:昭和期 ○山車:高さ6.07m、長さ2.81m、幅1.68m ○山車の見所 【上段幕】「嘉」の刺繍 【欄間】金箔を施した豪華なもの 【額】「嘉街」の文字 ○山車の説明 山車は、本体が漆塗り仕上げ、欄間彫刻には金箔を施した豪華なもので、上段幕には「嘉」の文字を意匠化した刺繍が施されている。正面の額には「嘉街」の文字が彫刻されている。 ○仁徳天皇 第16代天皇。民の救済をし、善政に努め、慕われる。日本最大の前方後円墳(大仙陵古墳)で有名。
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泉町の山車(諫鼓鶏)
いずみちょうのだし(かんこどり)
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山車[市指定有形民俗文化財]の概要 ○作者:不明 ○制作:明治7年(1874年)以前 ○山車:高さ7.59m、長さ4.10m、幅2.82m ○山車の説明 4輪の台車の上に高い台座を乗せ高欄を廻し、中央に大太鼓と太鼓台座を乗せる。大太鼓の上には翼を水平に広げた姿の白羽の雄鶏を乗せる。 ○諫鼓鶏 昔、中国の堯帝(ぎょうてい)が、その政治について諫言しようとする人民に打ち鳴らさせるため、朝廷の門外に太鼓(諫鼓)を設けた。良い政治が行われていたので永い間太鼓をたたく者が無く、鳥が太鼓に巣を作ったという故事から、諫鼓鶏は天下泰平の象徴とされる。
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